治大国若烹小鮮
信用しない人
今日は、どちらかと言えば外務省内部の話なので、一般の方の生活には全く関係のない話です。申し訳ありません。
来年度予算で、在外公館職員の俸給が削減されることになりそうです。まあ、ある程度は仕方ないだろうなという気がします。正直に言いますが、私はセネガル大使館で二等書記官をやっていた間にそこそこお金が貯まりました。その頃の貯めが、役所を辞めてから4年間の期間の自分を支える原資の一部だったわけですが。
そういう利益を受けた身なので、本来偉そうなことを言う立場にはありません。ただ、「在外公館に行けばカネが貯まる」という感覚は変えていく必要があると思っています。これだけ国際化が進んだ世の中では、外国勤務を特別視する理由は段々見つけにくくなっています。外国に行き、住み、働くことが当たり前になってきていることに応じ、在外公館だけが優遇される理由はないでしょう。
まあ、その中でも厳しい地域に行く方には俸給で報いてあげてほしいという思いもあります。紛争地、条件不利地に行くのは仕事です。ただ、命や健康に関わる勤務地が幾つかあります。娯楽が殆どない勤務地もあります。そういう所への赴任に報いる方法はそんなに多くはありません。せめて、俸給面では面倒を見てあげるのは税の使い方として間違っているとは決して思いません。
突然、話題が変わりますが、この方面での改革として私が常に思っているのは、お金の話よりも、皆が平等に途上国を経験する機会を持つべきということです。私が「絶対に信用しない」外務官僚の類型が一つあります。それは「途上国を経験していない人」です。意外に思われるかもしれませんが、ほぼすべての外務官僚人生を先進国勤務で終えてしまう人が一種職員採用の中にはいます。結構、出世している方も少なくありません。私は、どんなに優秀な人間でも、そういう人間を信用しないようにしていました。
昔、ある上司が「僕も遂に途上国勤務になった」と言うから何処かと思ったら香港でした。別の上司も「途上国勤務で子供の教育が大変だ」とブツブツ言っているので、何処かと思ったらシンガポールでした。どちらももう途上国とは呼べないくらいの地域で、心の中で「あんたみたいなのがいるから、一種採用の外務官僚は中でも外でも嫌われるんだよ。」と呟きました。
この手の話は、かつて外務省批判がなされた際にかなり議論され、そういう動きがありました。ただ、喉元過ぎれば熱さを忘れるとはこの事でして、10年近く立てばそういう感覚は減ってきているようです。しかし、私は「条件不利地の経験のない外務官僚は絶対に信用しない」というスタンスを貫いていこうと思っています。優秀な同期、後輩に会う度に「途上国に行けよ」と伝えています。
本当に全然日々の生活と関係ないですね。申し訳ありません。