治大国若烹小鮮
事務次官廃止
役所の事務次官を廃止するかどうか、という議論が行われています。これまた、通常の生活とは関係がないのですが、お役所的にはなかなか面白いテーマです。結論から言うと、私は議論に大いに値すると思います。まず、お役所の事務次官というのが何かということですが、事務の総括責任者ということです。そして、実質的に各役所の政策面での継続性を担保する役割を果たしていると言ってもいいでしょう。大臣、副大臣、政務官は変わっていくけど、お役所としての継続性は事務的に担保するということですね。大きな事例については、どの役所でも事務次官決裁を得ることになっているはずです。政務官や副大臣決裁よりも事務次官決裁の方が骨が折れるというのがこれまでの慣行でした。
また、これまでは閣議で議論するテーマは、事前に事務次官等会議(正式には「等」が入ります。警察庁長官が含まれたりするので。)できっちり調整してから、そこで調整のつかないものは閣議にあげないというルールがありました。かつて、とある案件で他省庁から「この案件でおたくの役所が突っ走るなら、うちの次官が事務次官等会議で『寝る』と言ってますけどいいんですか。」と脅されたことがあります。
ただ、先日も書きましたが、行政機構としては歪な感じになっています。政務三役で大臣、副大臣、政務官とピラミッドが出来、今後は事務次官を頂点に事務方のピラミッドがある。つまり、巨大な事務次官を頂点とするピラミッドの上に、ちょこんと政務三役のピラミッドが乗っているというのが、これまでの行政機構でした。それが政治家のお客様化の一因だったと言えるはずです。
事務次官がなくなるとどうなるか、ちょっとピンと来ないところもありますが、何となく「それでも役所はきちんと回っていく」ような気がします。今、事務次官等会議がなくなっていますけど、別にだからと言って日本の行政に停滞が出ているわけではありません。日本の行政官は非常に対応能力が高いので、どういう状態であっても適宜対応していくでしょう。
考え方としては、事務次官及び次官相当ポストに相当する人間を政務官クラスに組み込んでしまうということがあり得ます。つまり、上記のピラミッドの例えで言うと、すべてを大臣を頂点とするピラミッドに統合していくという図になります。呼び名は政務官ではまずいかもしれませんけども、ともかく政務官相当のポストに事務方から入ってきて、事務方のトップは政務官とすべてにおいて対等であり、その所掌は役所の事務事項(要するに大臣官房担当政務官みたいなイメージ)に限定してしまうということです。これが真の意味の事務の総括責任者という位置づけでしょう。
こうすれば、役所は大臣、副大臣、政務官(事務次官を組み込んだ上で呼称を要検討)、局長(官房長を局長扱いと考える)と綺麗なストリームラインの描けるピラミッドになります。
何となく、思いつきで書きましたけど、結構行けるんじゃないかなと思っています、このアイデア。